千葉県柏市の離婚率から不倫の慰謝料相場と請求方法を考える

千葉県柏市の離婚率から不倫の慰謝料相場と請求方法を考える

千葉県柏市は、千葉県の北西部に位置し、柏レイソルなどのホームタウンとなっている活気のある都市です。そして、そこでは、平成30年6月1日現在、423,722人、185,190世帯の人々が暮らしています。

柏市は、交通の利便性も高く、都心へも通勤しやすい立地であることから、結婚を機に、柏市内にマイホームを買って生活している方も多いのではないでしょうか。

しかし、結婚生活は、順調にいく場合もあれば、もちろんそうではない場合もあります。

今は、結婚した3組のうち1組が離婚する時代といわれています。

ここでは、柏市の離婚率と、離婚の原因として多い不貞行為(不倫)があった場合に、どれぐらいの額の慰謝料がもらえるか、そして、慰謝料の請求方法にはどのような方法があるのかをみていきます。

千葉県の離婚率

厚生労働省の人口動態調査の統計データでは、2016年の千葉県の離婚件数は、10,612件となっています。

では、千葉県は、離婚の多い県なのでしょうか。離婚件数は人口などにも影響を受けるので、人口1000人当たりの離婚件数である離婚率で、千葉県の離婚率をみていきます。

まず、厚生労働省の人口動態調査の統計データによると、2016年の離婚率の全国平均は、1.73となっています。

都道府県別にみた離婚率の高い都道府県は、以下のとおりです。

1位 沖縄県…2.59

2位 宮崎県…2.02

3位 大阪府…1.99

これに対し、千葉県の離婚率は1.73と全国平均と同じ数字になっており、特に離婚率が高い県というわけではないことが分かります。

柏市の離婚率

千葉県の統計データによると、2012年の柏市の離婚率は1.8となっています。なお、千葉県内の市町村別にみた離婚率の高い市町村は、以下のとおりです。

1位 富里市…2.9

2位 八街市…2.5

3位 長柄町…2.5

このようにみていくと、柏市の離婚率は、全国的にみても県内の中でも特に目立って多い数字とではないといえるでしょう。

しかし、離婚までいかなくても、夫婦関係がパートナーの浮気で危機を迎えることは少なくありません。その場合に、慰謝料を浮気相手だけに請求できるのでしょうか。また、離婚に至ってしまった場合に請求できる慰謝料の相場はどのぐらいの額なのでしょうか。 

慰謝料とは

まず、慰謝料とは、不法行為により精神的損害を被った場合に支払われる損害賠償です。

ですから、不貞行為が不法行為となる場合にのみ、慰謝料を請求することができます。

不貞行為が不法行為となる場合とは、①不貞行為について故意・過失があること②不貞行為により円満な夫婦生活を送る権利を侵害されていることの2つの条件が揃う場合です。

したがって、すでに夫婦関係が破綻していた場合には、不貞行為によって円満な夫婦生活が送れなくなったわけではないので、慰謝料は請求できません。

また、慰謝料の請求ができるのは、離婚後3年までと決まっているので、請求するタイミングには注意が必要です。

慰謝料を請求できる相手

不倫による慰謝料は、パートナーに請求できることは、ご存知の方も多いと思います。しかし、感情的には、不倫により精神的な苦痛を受けた責任は、パートナーだけでなく不倫相手にもあると思うことでしょう。

結論からいうと、不倫相手にも慰謝料を請求できる可能性はあります。ただし、不倫相手が、結婚しているのを知っていて不倫をした場合や、結婚していることを直接的に知らされていなくても知りうる状況であった場合(不法行為に該当する場合)に請求できるのであって、必ずしも請求できるとは限りません。

つまり、パートナーが不倫相手に結婚していないなどと偽っており、不倫相手が注意深く確認しても結婚していることが分からなかった場合には、不法行為に該当しないので、不倫相手に慰謝料を請求することはできません。

なお、離婚せずに不倫相手にだけ慰謝料を請求する場合には、不貞行為はパートナーと不倫相手の共同責任なので、不倫相手には、パートナーにその責任を負担する部分の金額を請求できる権利があります。ですから、この場合、不倫相手からは支払われる金額は慰謝料満額ではなく、パートナーの負担すべき金額を除いた額になる可能性があります。

慰謝料の相場

メディアでは、有名人の離婚に際して、高額な慰謝料が取り沙汰されることもあり、不倫による慰謝料は高い相場をイメージするかもしれません。しかし、実際は、その金額の中に財産分与の額も含まれ、厳密な意味での慰謝料の金額ではない場合も多くあります。

一般的には、不倫慰謝料の相場は、離婚する場合は、100万円~300万円程度であり、離婚しない場合は50万円~100万円程度とされています。

また、これまでの裁判例からみても、離婚した場合の慰謝料の平均は、200万円前後であり、高額な場合でも500万円程度が相場のようです。

なお、裁判所では、離婚原因についての責任が相手方にどの程度あるのかといった事情や、婚姻期間の長さ、パートナーや不倫相手の経済状況などを考慮し、その他子供の有無や結婚生活の実情や財産分与の額などの様々な要因を総合的にみて慰謝料の金額を示しています。

ですから、慰謝料は、実際には1,000万円を超える高額なものは通常認められにくく、現実的な相場の範囲で認められることが多いということを覚えておくと良いでしょう。

慰謝料の請求方法

慰謝料は、当事者同士での話し合いで自由に取り決めることができます。もし話し合いで決着がつかないような場合であれば、調停・裁判によることもできます。

ただ、当事者同士では、感情が高ぶり決着に至らない場合も多く、裁判などになる可能性があることを考えると、慰謝料を請求しようと考えている場合は、早めに弁護士に依頼する方が良いでしょう。早めに弁護士に依頼することで、どのような証拠を集めたらよいか分かり、慰謝料を確実に請求できるようになります。

(1)示談

示談(話し合い)で、パートナーや不倫相手に慰謝料を請求します。この段階で相手が不倫を認め、当事者間で慰謝料額にも合意できれば、そこで決着となります。この場合であっても、後々のトラブルを防ぐためには、双方の記名押印のある書面に記しておくと良いでしょう。

なお、公証役場では、強制執行が可能な強制執行文言付きの公正証書を作ることができます。しかし、もし相手が不倫を認めない場合には、証拠を提示するなどの方法で、不倫を認めさせなければ、慰謝料額の話し合いはできません。

ですから、示談をするにあたっても、事前の証拠集めが重要になります。

(2)調停・裁判

示談では不倫を認めなかった場合や、不倫を認めても慰謝料額に合意ができなかった場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停では、相手方の合意が必要なので、そこで合意できない場合には、裁判により慰謝料を請求します。

しかし、裁判では、請求する側が証拠を揃え立証しなければならないので、証拠が不可欠です。

まとめ

千葉県柏市の離婚率から不倫の慰謝料相場と請求方法をみていきましたが、離婚は身近にある問題で、パートナーの浮気が疑われる場合には証拠を確実に集めておくことが大切であるといえます。

パートナーの浮気により受ける精神的損害である心の傷は、計り知れないものがあります。ただ、精神的損害は金額により明確に算出することができるものではないので、その相場は現実的にはあまり高いものとはいえません。しかし、弁護士などのアドバイスを受けて、自身に有利な客観的な証拠を出来るだけ集め、立証し、スムーズに相手方が請求額を支払う状況にすることが、自身の心の傷を少しでも和らげその後の生活を良い方向に導いていくのではないでしょうか。