千葉県・柏市の刑事事件の最新動向

千葉県・柏市の刑事事件の最新動向

千葉県柏市は、千葉県の北西部に位置し、面積114.74平方キロメートル、人口423,722人(平成30年6月1日現在)を有しています。

そして、市内には、常磐線やつくばエクスプレスなどの鉄道が通っており、都内への通勤通学も便利な地域です。

都心のベットタウンとしても人気がある柏市ですが、生活する上で重要となるのは、治安だと思います。ここでは、柏市の刑事事件の最新動向を解説していきます。

1.平成29年の犯罪情勢

平成29年の1年間の柏市の犯罪発生件数は、3,648件(暫定値)で、前年と比較して154件減少しています。

そして、ここ数年の柏市での刑法犯の認知・検挙件数の推移からも、平成14年の10,295件をピークに、年々減少傾向にあり、治安が良くなってきていることが分かります。

2.犯罪別の発生状況

柏市の犯罪発生件数全体は減少方向にあるものの、振り込め詐欺などは前年よりも増加しています。ここでは、平成29年の1年間の人口1万人当たりの犯罪発生件数や平成29年の犯罪発生件数などの統計から、柏市の特徴的な犯罪をみていきます。

(1)自転車や自動車の窃盗犯罪

人口1万人当たりの犯罪発生件数からみると、自転車の窃盗犯罪の件数は、千葉県全体では19.8であるのに対し、柏市では22.6と比較的高い発生件数を示しています。そして、自動車の窃盗犯罪の件数も、千葉県全体では1.9であるのに対し、柏市では2.8と高い件数となっています。

しかし、柏市の平成29年の犯罪発生件数では、前年との比較でみると、自転車の窃盗については、大幅に減少しています。

これは、これらの窃盗に対する地域や警察などによる対策が取られていることを示しているといえるでしょう。

(2)振り込め詐欺

近年、刑事事件の中でも振り込め詐欺が社会問題になっていることは、ご存知の方も多いでしょう。人口1万人当たりの犯罪発生件数では、振り込め詐欺も含む詐欺犯罪は、千葉県全体では3.5、柏市でも3.8の発生件数があるとされています。

そして、柏市の平成29年の犯罪発生件数でも、振り込め詐欺などは37件増加しており、100件以上発生しています。

振り込め詐欺については、キャッシュカードを直接だまし取る詐欺や息子など親戚や警察官などをかたってだまし取る手口が増えています。

3.犯罪の被害に遭わないために出来ること

では、これらの犯罪に遭わないためには、どうすれば良いでしょう。犯罪の被害に遭わないために出来ることを次にまとめます。

(1)住宅へ侵入して行われる窃盗

住宅へ侵入して行われる窃盗の半数以上が、窓からの侵入によるものです。そして、多くは、ガラスを破る手口や施錠をしていない場所から侵入する手口が使われています。

ですから、確実に施錠をして、補助鍵なども利用して、厳重に戸締りをすることが大切です。

(2)自動車の窃盗

短時間であっても、車から離れる場合には、確実に施錠をしましょう。そして、駐車をする場所は、夜間でも明るく、人目につきやすい駐車場を選ぶことが大切です。

また、長時間駐車するときには、ハンドルロックやタイヤロックなどの防犯用品を活用することで、外見から防犯対策がなされていることが分かるので、被害に遭いにくくなります。

(3)車上荒らし、部品ねらいの窃盗

バックや現金を車の中において外出しないこと、またはそれらを車外から見えない場所に置くことが大切です。また、自動車の窃盗と同様に、不審者が近づきにくい駐車場を選んで駐車するなどの工夫も必要です。

(4)自転車の窃盗

盗難自転車として発見される自転車の約6割以上は、鍵がかかっていないものです。通常の自転車用の鍵をかけるほか、ワイヤーなどで二重にロックすると良いでしょう。

なお、自宅で自転車の盗難の被害に遭う割合も、4割以上と非常に多くなっています。

ですから、外出先だけでなく、帰宅した際にも、厳重に鍵をかけておくことが大切です。

(5)ひったくり

女性が狙われやすく、バイクなどで後方からひったくられるケースが多いとされています。したがって、バックをたすきがけにして持ったり、車道と反対側にバックを持つように心がけたりして、窃盗犯に隙をあたえないことが有効です。

また、自転車に乗っている場合にも、日頃から防犯カバーをかごに取り付けておくなどの対策をしておき、ひったくりの被害に遭わないようにしたいものです。

(6)振り込め詐欺など

息子や親戚、百貨店や警察官などを名乗る者からの金銭を要求又はキャッシュカードを預かるといった連絡には、注意しましょう。事実かどうかの確認をすることが大切です。

また身に覚えのない架空請求にも、応じてはいけません。

4.振り込め詐欺で多い手口

近年急増している振り込め詐欺の被害ですが、柏市の振り込め詐欺の発生状況としては、平成30年4月末現在で、前年同期比より4件多い39件、総額約2,760万円の被害が発生しています。

ここでは、多発する2つの振り込め詐欺の手口をみていきます。

(1)電話による詐欺

柏市では、振り込め詐欺の中でも、還付金詐欺が多発しており、その多くの手口は、電話で、市役所職員や銀行や郵便局の職員を名乗って騙し、高齢者をATMまで誘導して現金を振り込ませるものです。具体的には、次のようなケースです。

(ケース1 市役所職員を名乗る詐欺)

市役所職員を名乗って電話がかかってきます。そして、「保険料を計算したら、○○万円の過払い金がありました。振り込み手続きをするので、銀行か郵便局にいってください。」などと話を進め、ATMの操作に不慣れな高齢者などに現金を振り込ませようとします。

(ケース2 銀行や郵便局の職員を名乗る詐欺)

銀行や郵便局の職員を名乗って電話がかかってきます。そして、「銀行(郵便局)で手続きをしてもらう必要があるので、近くの銀行(郵便局)のATMの前についたら電話をください。」などと話しをすすめ、現金を振り込ませようとします。

(2)キャッシュカードをだまし取る詐欺

市役所職員を名乗って、「医療費の払い戻しがあるので手続きをします。」などと電話があった後、銀行や郵便局の職員を名乗る者から「古いキャッシュカードでは払い戻しが受けられないので、新しいカードを作ります。古いカードは預かります。」といった電話があります。

そして、これらの電話の後で、自宅に実際に銀行や郵便局の職員を名乗る者が訪れ、暗証番号を聞き出した上で、キャッシュカードをだまし取ってしまいます。

このような振り込め詐欺の電話があった場合には、すぐに家族や警察に相談しましょう。

5.犯罪に巻き込まれてしまったら

日頃、十分に注意していても、犯罪に遭ってしまうことがあります。

それだけでなく、自身や家族や大切な人が、犯罪の加害者として逮捕されたり、加害者と疑われたりすることもあります。

もし、自身やご家族や大切な人が刑事事件に巻き込まれて、加害者として逮捕または加害者として疑われる被疑者となってしまった場合には、出来るだけ早く弁護士に相談しましょう。

弁護士は、無実であるのに罪を着せられてしまう冤罪を防ぎ、また、罪を犯してしまった場合でも行き過ぎた刑罰が科されたり違法な手続きが見逃されたりしないように、活動します。

刑事事件は、起訴されると有罪になる確率が非常に高くなります。ですから、不起訴になる可能性がある早い段階から弁護士に相談し、サポートを受けるようにしましょう。

参考

千葉県警ホームページ(http://www.police.pref.chiba.jp/

柏市役所ホームページ(http://www.city.kashiwa.lg.jp/

柏市防犯協会ホームページ(http://www.kashiwa-bouhan.net/